第4回「日本の医療を語る」

 今後の日本の医療改革はどのような方向に進むべきか。第4回目は、公益財団法人全日本病院協会の西澤寛俊会長に訊いた。

 
 
1.社会保障制度改革国民会議で提言された、
      医療提供体制の改革について    (2:44)



現在の日本の医療は、WHOから世界最高水準との評価を得ている。しかし、今後、高齢化が進むにつれ、医療・介護の需要が高まってくる状況下では、現在と同じ最高水準を保つことは難しい。そのため、医療提供体制の改革は、医療を提供する側の我々も必要だと考えており、積極的に関っていく必要があると感じている。

 

 
 

2.病床の機能報告制度について   (5:14)



キーワードは、地域。全国一律ではなく、地域にあった体制を作る必要がある。
団塊の世代が後期高齢者になる2024年に向け、地域の状況を推定しなくてはならない。
まずは、現状の把握。そして今後は、病院ごとの将来に向けたビジョンの報告も必要。
それらを踏まえ、都道府県ごとの地域医療ビジョンを作る。これは、行政に加え、地域の代表と医療機関による協議会を作り、客観的にデータを見て決めていくべきである。医療の現場を知っている我々が、責任をもって主体的に取り組みたいと考えている。

 


 
3.中小病院が果たす役割   (6:54)



8月8日に日本医師会と四病院団体協議会で提出した、医療提供体制構築に向けての基本方針には、かかりつけ医の定義づけを明記、推奨した。
そこでは、かかりつけ医は日常的に患者の状態を把握し、適切な指導をすること。また、地域の医療機関と連携を図ること、などの定義が定められており、中小病院がその中心となると考えている。
また、11月18日には、先の基本方針を踏まえ、地域包括ケアシステムの構築に向けての報告書を提出した。そこには、入院医療と在宅医療との連携が極めて重要であり、その核となる病院を、地域医療介護支援病院と位置づけてある。

 

 

 
4.中小病院に期待される入院と在宅医療をつなぐ機能   (4:34)



大病院では、急性期、回復期などの病期を病棟ごとに区分できるが、それが難しい中小病院では、一つの病棟に複数の病期の機能が混ざったものを作るという発想がある。地域に根ざしている中小病院では、かかりつけ医と連携し、それを支えるために、こうした機能が必要であると考えている。

 

 

 

 
5.地域包括ケアにおける中小病院の役割   (8:13)



地域包括ケアの中心は医療。現在の「医療」「介護」に加え、「予防」「生活支援」なども、これからの大きな役割であると捉えている。
日本の医療が世界に評価される要因として、中小病院の役割は欠かせないと考え、2001年に地域一般病棟という概念を打ち出した。その概念が、今回も生きている。
現在、病院で介護施設を持っている所も多く、それは強みである。また、今回の改革案を日本医師会とともに出したことも価値があると考えている。

 

 


 
6.看護師の不足について  (5:53)



現在、病院の規模、種類に加え、地域間でも看護師の偏在が生じている。医療の質は、職員の質・数でもある。2025年に向けて、病棟の機能分化、在宅医療の推進と並び、医療の質は落としてはいけない。その際には、看護・介護の人材不足が問題になるため、国全体でも、医療従事者の充実を考えるべきである。まずは、看護師でなくてもできる業務は分担するなど、チーム医療の推進が必要である。

 

 

 
7.終末期医療について  (3:36)



これまで我々は、質と安全の向上を一番に考え取り組んできた。
地域に密着した中小病院という自負を持ち、昨年からプライマリ・ケア検討委員会を発足させ、8月に在宅医療介護対応宣言、認知症対応宣言を出した。病院の地域密着の質を上げる、そして地域からの信頼を得るために、研修会など様々な取り組みを始めている。

 

 

 
8.ジェネリック医薬品の推進について   (7:12)



医療費を抑えるためにジェネリック医薬品を推進するというのは、基本的には賛成。
しかし、現在、現場では品質に関する問題や、在庫切れなど様々な問題が発生しているのも事実である。こうした問題があることを知ってほしいし、安全に安心して使えるようにしていただければ、ぜひ推進したいと考えている。